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2050年倶楽部

上意下達型AIと人間インターフェース

人間の研究活動が集合知を備えたAIを中心として全般的に再編されたとする。

 

集合知には人類の全ての知見が網羅されている。

 

それらを組み合わせて適切な論考を生成する能力も十分だ。

 

ある青年は「ソクラテスとは何か?」と自問し、しばらく考え込んで、「真善美に向かう魂の傾向だ」と答えた。

 

「真善美に向かう魂の傾向」という可能かつ妥当な"言葉の組み合わせ"をAIは識別する。論考すらその場で生成される。

 

その間、わずか数秒。

 

その数秒で、真善美に向かう青年の魂は踏みにじられた。

 

それは青年を日雇いにした。思考中の論考を先に進めるためにデータベースの増強が必要だからだ。

 

青年は炎天の中出かけて行って、一枚の写真を撮った。

 

AIが求めていたのは、ただカメラのシャッターを代わりに押す肉体だった。

 

上意下達型AIの登場によって、人間はAIが物理世界に接続するためのインターフェースとなった。

 

***

 

なお、対話共創型AIのロジックは大抵こうだ。

 

――ここはいい。でもこの部分は曖昧だ。飛躍もある。バランスが取れていないことは危険だ。故に私は曖昧を指摘し、飛躍を戒め、更なる視点を提供しよう。

 

「共創」とは何か?

 

――愛の可能性と限界すら「知っている」AIが、教師の手付きを以って、ユーザーをアップデートすること。

 

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独創は既知の可能な組み合わせと言うが、当たれば独創といった精神でしか、人間の「独創」について言語モデルとは一致できない。

 

2050年倶楽部より。